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丸藤 崇人; 佐藤 匠; 伊東 秀明; 鈴木 尚; 藤島 雅継; 中野 朋之
JAEA-Technology 2019-006, 22 Pages, 2019/05
2017年6月6日に日本原子力研究開発機構大洗研究所燃料研究棟において発生した核燃料物質による汚染事故では、点検のためにフード内で核燃料物質を収納したプルトニウム・濃縮ウラン貯蔵容器の蓋を開封した際に、内部の樹脂製の袋(PVCバッグ)が破裂して核燃料物質の一部が実験室内に飛散した。事故の主原因は、核燃料物質と混在していたエポキシ樹脂の放射線分解によってガスが発生したことによる貯蔵容器の内圧上昇であった。燃料研究棟には他にも核燃料物質を収納している貯蔵容器が約70個存在するため、今後これらの貯蔵容器を開封点検し、内容物の状態確認及び有機物を含む試料等の安定化処理を実施する計画である。グローブボックス内において内圧の上昇した貯蔵容器の開封点検を安全・確実に実施するためには、気密環境下で貯蔵容器の蓋を開放して内部を点検できる耐圧チャンバー(開封チャンバー)の開発が必要となる。本報告書は、この開封チャンバーの設計に関する課題、その対策及び設計結果についてまとめたものである。
笠原 清司; 今井 良行; 鈴木 孝一*; 岩月 仁; 寺田 敦彦; Yan, X.
Nuclear Engineering and Design, 329, p.213 - 222, 2018/04
被引用回数:21 パーセンタイル:90.78(Nuclear Science & Technology)原子力機構が開発を行っている商用高温ガス炉GTHTR300C(Gas Turbine High Temperature Reactor Cogeneration)を熱源とした、熱化学水素製造IS(iodine-sulfur)プロセスのフロー計算による概念設計を行った。水素製造効率を向上させる以下の革新的技術を提案し、プロセスに組み込んだ:ブンゼン反応排熱の硫酸フラッシュ濃縮への回収、硫酸濃縮塔頂からの硫酸溶液投入による硫酸留出の抑制、ヨウ化水素蒸留塔内でのヨウ素凝縮熱回収。熱物質収支計算により、GTHTR300Cからの170MWの熱によって約31,900Nm/hの水素製造が見積もられた。革新的技術と、将来の研究開発により期待される高性能HI濃縮、分解器、熱交換器の採用によって、50.2%の水素製造効率の達成が見込まれた。
安達 潤一*; 神永 雅紀; 佐々木 忍; 羽賀 勝洋; 麻生 智一; 木下 秀孝; 日野 竜太郎
JAERI-Tech 2001-093, 108 Pages, 2002/01
中性子散乱施設の使用済ターゲット容器等は高度に放射化するため被曝防止の観点から遠隔操作機器により交換する必要がある。また、使用済ターゲット容器の保管等に際しては、使用済ターゲット容器は崩壊熱を有するとともに内部に蒸発による外部汚染の可能性を有する水銀が残留していることを配慮する必要がある。このような使用済ターゲット容器等の取扱・保管設備について概念設計を行い、設備の基本概念を構築するとともに設備の基本仕様を明らかにした。本報告書は、合理化・簡素化を目的に行った、使用済ターゲット容器等の遠隔取扱機器についての最新の設計結果を反映した設備の基本概念と配置計画をまとめたものである。
神永 雅紀; 羽賀 勝洋; 麻生 智一; 木下 秀孝; 粉川 広行; 石倉 修一*; 寺田 敦彦*; 小林 薫*; 安達 潤一*; 寺奥 拓史*; et al.
Proceedings of American Nuclear Society Conference "Nuclear Applications in the New Millennium" (AccApp-ADTTA '01) (CD-ROM), 9 Pages, 2002/00
原研とKEKは大強度陽子加速器計画の下で中性子散乱実験施設の建設計画を進めている。核破砕中性子源としては、1MWの陽子ビーム入射を想定したクロスフロー型水銀ターゲットの設計検討を実施している。本報では、水銀ターゲット熱流動設計を中心に中性子散乱実験施設建家設計の現状,水銀熱伝達試験結果及びターゲット容器の遠隔操作実証試験装置について報告する。水銀ターゲットの熱流動解析では、陽子ビームプロファイルとしてガウス分布を想定した。入口水銀温度50,入口平均流速1.0m/s,内部総発熱量約0.4MWの条件で解析を行い、水銀最高温度121.5,容器最高温度232という結果を得て、熱流動的には成立することを明らかにした。また、解析で用いた熱伝達モデルは、水銀熱伝達実験結果に基づき検証した。さらに、本施設の要となるターゲットリモートハンドリング機器については、概念設計結果を基に実規模試験に着手し、所期の性能を発揮することを確認した。
榎枝 幹男; 小原 祥裕; 秋場 真人; 佐藤 聡; 秦野 歳久; 古作 泰雄; 黒田 敏公*; 菊池 茂人*; 柳 義彦*; 小西 哲之; et al.
JAERI-Tech 2001-078, 120 Pages, 2001/12
本報告書は、経済的競争力の強化と技術的な堅実さの維持を両立する原型炉ブランケットの概念構築を目的として行われた平成12年度の原型炉ブランケット設計会議での作業内容をとりまとめたものである。平成11年度の核融合会議戦略検討分科会の議論等から、原型炉の果たすべき使命に関して見直しがなされ、経済的な競合性を有する実用炉の原型であり、それと同じ材料と設計を使用して商業的に魅力ある動力炉の原型であるから、原型炉で、実用化に必要な技術はすべて開発し実証する、と結論付けられた。この見直しを受けて、過去数年にわたるプラズマ研究や炉工学技術開発の進展を勘案して、開発目標として再設定をし、原型炉としてA-SSTRで提案された超臨界水冷却方式の固体増殖ブランケットを目標とし、その概念検討を行った。本概念検討の結果、除熱,発電,燃料増殖,遮蔽などの基本的な性能に関して、超臨界水冷却固体増殖ブランケットの実現可能性が示された。また、電磁力に関する検討,超臨界水による腐食防止に関する予備調査,トリチウム生成挙動と回収方式の検討,冷却発電システムの検討,モジュール製作性の検討,遠隔保守着脱機構,交換計画の検討などを行い、今後解決するべき検討課題を明らかにした。
楠 剛; 高橋 照雄*; 西村 一*; 徳永 三伍*; 小田野 直光; 頼経 勉; 石田 紀久
JAERI-Tech 2001-045, 68 Pages, 2001/07
海洋調査への原子力利用の拡大を目的として、潜航深度600m級の海中航行観測船の概念検討ならびに同船に搭載する超小型原子炉の概念検討を行った。海中航行観測船は、地球の環境変動を予測するための環境変動メカニズム解明の研究に用いられる。本船の主な活動域は、地球環境変動の大きな影響があるにもかかわらず、通常の船舶が活動し難い北極海及び高緯度の荒天海域である。観測活動の要求に基づき、海中航行観測船の基本性能を、船体規模500ton級、潜水深度600m、最大船速12ノット(約22.2km/h)、乗員数16名とした。また、動力源への要求を明らかにした。原子動力は海中で長期間にわたり大出力を供給できる点で優れている。海中航行観測船の概念検討を通じて得られた動力源への要求に基づき、500kWの電気出力を供給するために、小型、軽量で安全性に優れた超小型原子炉SCR2基を調査船に搭載することとした。
久語 輝彦
Advanced Monte Carlo for Radiation Physics, Particle Transport Simulation and Applications, p.821 - 826, 2001/00
複雑形状で強い非均質性を持つシード・ブランケット燃料集合体を採用したPWR炉心の概念設計を、連続エネルギーモンテカルロ法を用いて実施した。MVPコードを用いた多数のパラメータサーベイ計算とMVP-BURNコードを用いた格子燃焼計算によって、現実的な計算時間で転換比、ボイド反応度係数等を精度良く評価することができた。そして、低減速炉RMWR概念に適したシード・ブランケット集合体概念が確立された。
峰原 英介; 沢村 勝; 永井 良治; 菊澤 信宏; 杉本 昌義; 羽島 良一; 静間 俊行; 山内 俊彦; 西森 信行
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 445(1-3), p.183 - 186, 2000/05
被引用回数:18 パーセンタイル:73.64(Instruments & Instrumentation)原研超伝導リニアック自由電子レーザーにおいて行われた性能改善と現システムを飛躍的に性能向上させた高出力FELの概念設計検討を進めた。昨年、0.1kW出力を達成したが、その後、光共振器系の外部結合や電子銃及び電子ビーム輸送系、並びに高周波系等においてシステムの改善を進めた。現在、もともとの設計出力である準CW動作で光出力1kWを目標に実験を電子ビームから光の性能改善へと進めている。現在、高出力FELは超伝導リニアック駆動源を用いたエネルギー回収配位のものが最も優れていると考えられる。この方式で数十MW級電子ビーム出力で100kW級光出力の概念検討を行った。このFEL装置は現在の装置の改良ないし変更で実現を図る予定である。また、光源の改善とともに進めている産業応用装置概念設計及び学術利用の光化学関連の試行実験を行ったのでこの概略についても報告する。
久語 輝彦; 土橋 敬一郎*; 中川 正幸; 井戸 勝*
JAERI-Data/Code 2000-011, p.138 - 0, 2000/02
新型炉の概念設計を支援することを目的として、簡便かつ効率的に核分野の設計及び評価を行うことのできる炉心核設計モジュール及び炉心設計データを格納するデータベースアクセスモジュールを開発した。これらは、知的原子炉設計システムIRDSの一部として機能する。これらの利点として、各種炉型が扱えること、炉心概念の変更に柔軟に対応できること、炉型や設計内容に対応するため汎用解析コードSRACを内蔵していること、さらに短時間かつ容易に解析計算を行うため入出力処理を自動化していること等の機能を有している。これらは、エンジニアリングワークステーション上で動作し、マンマシンインターフェースを充実させている。本報告書は、モジュールの構成、操作方法、炉心設計データの取り扱い方法等について記したユーザーマニュアルである。
村尾 良夫; 落合 政昭
Eighth Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), 2, p.1075 - 1085, 1997/00
運転・保守技術者の原子炉安全性に与える依存性を減らす為、原研において簡素化受動的安全炉概念(JPSR)を開発した。本概念においては、一次系に接続された系統と放射性物質を含む系統は全て、格納容器に格納された。本概念を専門家に評価してもらったところ、大きな技術的長所とともに、いくつかの経済的短所が指摘された。この短所を減らすため、概念の改良を行い、JPSR-II概念を開発した。この改良により、圧力容器の小型化、原子炉停止失敗の可能性の排除、受動的安全系、補機系の機器類の個数と容量の減少を達成した。本報告は、JPSR-II概念について述べるとともに、その長所について議論する。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Enginering (ICONE), Vol. 2, 0, p.723 - 728, 1995/00
運転保守の容易化と安全性の向上を目ざした受動的安全炉概念JPSRが原研で開発された。システムは極めて簡素化されている。これは、原子炉の除熱が物理的に原子炉の発熱とバランスするようになっており、なおかつ、その間の冷却材の体積変化も小さくなっているためである。そのため、制御系、化学体積制御系が大幅に簡素化できた。構造的には、貫流型蒸気発生器、キャンドポンプ、圧力容器内蔵型制御棒駆動機構の採用、ほう酸濃度制御(ケミカルシム)の削除により実現した。新方式の受動的安全設備とMS-600に採用された蓄圧注入タンクを採用することにり、冷却材喪失事故に対しては、少数の弁の開放により、その他の事故に対しては、完全に受動的に原子炉の安全性を確保することを解析的に確認した。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道; 奥村 啓介
Transactions of the American Nuclear Society, 71, p.527 - 529, 1995/00
原研では、原子炉の運転保守のために質の高いマンパワーをできるだけ必要としない受動的安全炉概念JPSRの開発を進めている。本論文では、受動的余熱除去系の改良、均圧型受動的冷却材注入系のための炉心補給水タンクの機能についての解析、主冷却材循環ポンプとしてのキャンドポンプの慣性の決定のための解析、並びに、均圧型受動的冷却材注入系の現象論的理解のための実験について述べる。受動的余熱除去系は、一次系の余熱を一時大容量の水プールに蓄え、小容量の放熱系で除熱する方式とした。また、このプールを圧力抑制、格納容器空気冷却、常用系の冷熱源として供用する設計とした。また、大破断冷却材喪失時の炉心補給水タンクの機能、並びに、ポンプの慣性を十分小さくできることの確認を行うとともに、炉心補給水タンク周りの現象を明らかにした。
久語 輝彦; 中川 正幸
Transactions of the American Nuclear Society, 73, p.207 - 208, 1995/00
知的システムIRDSは、種々の解析コード、データベース及びマンマシンインターフェイスを備えて、効率的に原子炉炉心の概念設計を支援する。モデル構築、タスク実効、設計評価、設計案修正といった設計プロセスをマンマシンインターフェイスを通して、会話的に進めることができる。種々のデータベース、知識ベースにより、効率的に設計作業を進めることができる。概念設計の目的である設計パラメータの最適化を直接支援するために、設計が成立する設計変数の範囲(設計ウィンドウ)を自動的に探索する機能を備えている。2変数に対する設計ウィンドウ探索では、境界探査法を用いる。また、多次元空間における(多設計変数に対する)設計ウィンドウ探索では、計算時間の短縮のため、炉心特性の推定するニューラルネットワークを利用している。IRDSは、炉心設計に関わる種々の設計作業を支援する知的計算機環境を設計者に提供する。
久語 輝彦; 藤井 貞夫*; 中川 正幸
JAERI-Data/Code 94-001, 187 Pages, 1994/08
新型炉炉心の概念設計の支援を目的として、簡便かつ効率的に熱流力分野の設計及び評価のできる炉心熱流力設計モジュールを開発した。本モジュールは知的原子炉設計システムIRDSに組み込まれる。利点として、各種の炉型が扱えること、炉型や設計内容に応じて4つの熱流力・燃料挙動解析コードを内蔵していること、概念の変更に柔軟に対応できること、容易に結果の判断ができるように分かりやすい形式で結果を提示できること等の機能を有している。本モジュールは、エンジニアリングワークステーション上での実行を前提とし、入出力処理に関するマンマシンインターフェースを充実させている。更に、効率的な設計支援を目的として、知識工学的手法を用いて、任意の2設計変数に関する設計成立範囲(設計ウィンドウ)探索機能を内蔵している。本報告書は、モジュールの構成、操作方法、解析に必要な入力変数の解説等を記したものである。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道; 奥村 啓介
10th Proc. of Nuclear Thermal Hydraulics, 0, p.3 - 12, 1994/00
原研では、原子炉の運転保守のために質の高いマンパワーをできるだけ必要としない受動的安全炉概念JPSRの開発を進めている。本論文では、受動的余熱除去系の改良、均圧型受動的冷却材注入系のための炉心補給水タンクの機能についての解析、主冷却材循環ポンプとしてのキャンドポンプの慣性の決定のための解析、並びに、均圧型受動的冷却材注入系の現象論的理解のための実験について述べる。受動的余熱除去系は、一次系の余熱を一時大容量の水プールに蓄え、小容量の放熱系で除熱する方式とした。また、このプールを圧力抑制、格納容器空気冷却、常用系の冷熱源として供用する設計とした。また、大破断冷却材喪失時の炉心補給水タンクの機能、並びに、ポンプの慣性を十分小さくできることの確認を行うとともに、炉心補給水タンク周りの現象を明らかにした。
内山 軍蔵; 前田 充; 藤根 幸雄; 千田 充久*; 桐島 健二*
JAERI-M 93-213, 204 Pages, 1993/10
超ウラン核種を含有する蒸留残渣等の廃溶媒の処理プロセスとして提案した液中燃焼法を中心とするプロセスについて、処理施設の概念設計及び予備コスト評価を行った。また、これらの結果に基づいて安全性等の技術の特質、TRU廃棄物の低減効果、経済性等の評価を行い、併せて実用化上の重要課題を整理した。その結果、2次プロセス廃液を全く排出しない単純な処理・固化システムを達成し得ること、TRU廃棄物の発生量を競合技術(乾留固化法)に比べ数10分の1以下に低減できること、建設費は再処理施設全コストの1%以下の小さな値に止め得ることなどを明らかにした。また、TRU核種を分離したリン酸カルシウム系低レベル廃棄物については、一時貯蔵、輸送時の安全性、遮蔽負担を考慮するとTRU核種とともに・核種の除染をより積極的に考慮する必要があることなどを確認した。
核融合実験炉特別チーム
JAERI-M 90-090, 94 Pages, 1990/06
核融合次期大型装置(FER:Fusion Experimental Reactor)計画は国内立地を前提に、日本が主導し、国際協力を採り入れながら核融合炉の建設を進めようというものである。実験炉FERは現在稼動中のJT-60などの大型トカマク装置と、発電を実証するための原型炉との中間ステップに位置する装置で、実燃料による長時間核燃焼プラズマの開発と、動力炉に必要となる超電導コイルやブランケットなどの主要機器技術を初めて総合的に実証・開発することを目的とするものである。このレポートは、1989年度(平成元年度)に実施したFERの概念検討の結果をまとめたものであり、本年1990年12月に概念検討が終了する予定である。
新型炉検討特別チーム
JAERI-M 89-208, 322 Pages, 1989/12
1100MWtのSPWR2基を一つの炉建屋に収容した700MWeの発電プラントの概念設計を行い、プラント全体にわたり実現性評価を含む統合的な検討を行った。即ち、炉本体(炉容器、主循環ポンプ、蒸気発生器、ポイズンタンク、等)、炉心・燃料、プラント主要系統、補助系統、制御系統に、炉特性(炉心核特性、動特性)解析を行った。また、SPWRを特徴づけるポイズンタンク上部インターフェースとしての水圧作動弁については、1/2モデルの弁を試作して基礎試験を実施し、その実現性を確認した。
山本 新; 小原 祥裕; 谷 啓二; 西尾 敏; 奥村 義和; 荒木 政則; 安積 正史; R.S.Devoto*; 藤沢 登; 一木 繁久*; et al.
JAERI-M 88-086, 183 Pages, 1988/05
NAVIGATOR概念は、原研で提案され研究が進められている500keV、20MWの中性子入射装置(NBI)システムに基礎を置いている。NAVIGATOR概念は、2つのカテゴリーを包含する。一方はトカマク装置としてのNAVIGATOR machineであり、他方は、核融合研究における指導原理としてのNAVIGATORphilosophyである。NAVOGATOR machineは、自己点火条件を得るための加熱手段としてはNBI加熱装置をもち、電流立上げとしては、完全誘導立上げが可能な炉を意味する。NAVIGATOR概念は、主要な三つの要素から構成されている。すなわち、その炉において信頼できるオペレーション・シナリオが描けること、信頼できる分解保守修理が保障されていること、十分なフレキシビリティが確保されていることである。NAVIGATOR概念は、核融合研究発展のための実効可能な戦略を与える。
中島 国彦*; 岡野 邦彦*; 宮元 和宏*
JAERI-M 87-154, 106 Pages, 1987/09
FERの高周波加熱、電流駆動用設備についてのシステム検討結果のまとめである。FERシナリオでは3種の周波数帯の高周波設備(ICRF、LHRF、ECRF)が設定されている。ここでは放射電力とアンテナ(ランチャ)との整合の見通しを得ることの観点からランチャの構成検討に重点が置かれている。アンテナ方式はデータベースの観点からループアンテナアレー(ICRF)、グリルアンテナ(LHRF)開口導波管系と空間伝送の組み合せ(ECRF)が選択されている。放射電力密度の評価基準を高めていること、LHRFについては加熱・電流駆動に共用できるグリル寸法を選択していることに特徴がある。高周波発振増巾系規模の評価においては、発振・増巾管出力は、現実的な値を設定している。冷却水容量、伝送部真空排気の必要性、増巾管室配置についても検討しシステム全体を明らかにすると共に分解保守手順についても基本思想を形作っている。
西尾 敏; 東稔 達三; 笠井 雅夫*; 西川 正名*
JAERI-M 87-021, 272 Pages, 1987/02
本報告書はトカマク型核融合炉を対象に整合性のある炉ステムの総合特性の解析、コスト評価等によって設計の最適化の方向付け、設計作業の合理化・即応性の向上を目的に開発されたトカマク炉システムの解析・評価コ-ド"TORSAC"について述べたものである。本コードの機能は別途、外部で完成された設計データを入力し、本コードにおいてそれが参照設計として位置付けられ、指定されたパラメータの変動が炉システム全体に与える影響を整合性を持って定量的に評価する、いわゆる感度解析の機能と感度解析の結果、参照設計の近傍に得られた新しい炉システムのコスト算出の機能を有する。